国立科学博物館 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」を見学しました

展示

2022年2月19日~6月19日まで上野の国立科学博物館で開催されていた宝石展へ、5月下旬に行ってきました。その際のレポートです。
原石の類は普段地下に埋もれていますので、館内は暗く最小限の照明で展示されていました。

最初に出迎えてくれたのは腰かけられそうなアメシストです。紫水晶とも呼ばれ、組成は二酸化ケイ素(SiO2)、モース硬度は7です。2月の誕生石で、パワーストーンとしては、恋愛、安眠に効果があるそうです。

少し先に進むと大きなアメシストドームが展示されていました。人がすっぽり入りそうな大きさでした。

その奥にはさらに大きなアメシストドームが展示されていました。

人(私)と比較するとこれ位の大きさです。

以下からは順不同です。

アクアマリンです。和名は藍玉、組成はベリリウムを含む六角柱状の鉱物で、モース硬度は7.5です。3月の誕生石で、パワーストーンとしては、家庭円満のお守りだそうです。

トパーズです。和名は黄玉、組成はケイ酸塩(Al2SiO4(F,OH))で、モース硬度は8です。11月の誕生石で、パワーストーンとしては、未来への希望をもたらす石だそうです。

アマゾナイトです。和名は天河石、組成はケイ酸塩(KAlSi3O8)ですが微量の鉛で青緑色になっています。モース硬度は6です。パワーストーンとしては、明るさと希望、夢をかなえる石だそうです。

トルマリンです。展示物はリシア電気石(Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4)とも呼ばれ、ケイ酸塩鉱物のグループに含まれます。モース硬度は7~7.5です。パワーストーンとしては、美容の石だそうです。

スモーキークォーツです。煙水晶とも呼ばれ、水晶の一種でモース硬度は7です。パワーストーンとしては、潜在能力をひきだすそうです。

ペリドットです。カンラン石とも呼ばれ、ケイ酸塩鉱物のグループで含有する鉄分の作用によって緑色になります。モース硬度は6.5~7です。8月の誕生石で、パワーストーンとしては、ストレスを軽減し内的に美しく輝かせるそうです。

シトリンです。黄水晶とも呼ばれ、水酸化鉄(Fe(OH)₂)によって黄色くなっています。モース硬度は7です。6月と11月の誕生石で、パワーストーンとしては、ストレスを癒し、仕事・金運を良くするそうです。

オパールです。蛋白石(SiO2・nH2O)とも呼ばれ、モース硬度は6.5です。10月の誕生石で、パワーストーンとしては、内面の美を引き出すそうです。

フローライトです。和名は蛍石で、ハロゲン化鉱物の一種です。主成分はフッ化カルシウム(CaF2)で、モース硬度は4です。パワーストーンとしては、集中力を引き出すとされています。

パイライトです。黄鉄鉱とも呼ばれ、組成は二硫化鉄(FeS2)、モース硬度は6~6.5です。淡黄色の色調で金と間違えられることが多いことから「愚者の黄金」とも呼ばれているそうです。

ルビーです。組成は酸化アルミニウム(Al2O3)の変種で、モース硬度は9とダイヤモンドに次ぐ硬さです。7月の誕生石で、パワーストーンとしては、情熱や深い愛情に恵まれたり、成功へ導いてくれるそうです。

ペグマタイトです。大きな結晶からなる火成岩の一種で、巨晶花崗岩とも呼ばれています。温度や圧力の低下によって中に液体・気体の空洞が生成され、そこから結晶が生じるそうです。

ヒスイです。硬玉・ジェイダイトとも呼ばれ、イノケイ酸塩鉱物(NaAlSi2O6)の一種です。モース硬度は6.5~7です。似たような見た目で軟玉・ネフライト(Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2)という物もありますが、化学組成が異なっていてもヒスイと呼ばれています。パワーストーンとしては、幸運の守護石とされています。

ガーネットです。宝石としては紅榴石とも呼ばれ、ケイ酸塩鉱物の柘榴石グループです。モース硬度は6.5~7.5です。1月の誕生石で、パワーストーンとしては、心を豊かにし、大切な人との絆を深めるそうです。

マラカイトです。孔雀石とも呼ばれ、組成は炭酸水酸化銅(Cu2CO3(OH)2)、モース硬度は3.5~4です。パワーストーンとしては、邪悪なものから身を守ってくれるそうです。

セレナイトです。石膏の一種で、硫酸カルシウムの二水和物(CaSO4·2H2O)です。モース硬度は2で、爪で削れるほど柔らかいです。

暗闇の中、ブラックライトで光る鉱石達です。他の展示よりも暗かったので詳細は分かりませんでした。

バイカラー・トルマリンです。トルマリンはケイ酸塩鉱物のグループ名で、バイカラーは2色が混在したものになります。モース硬度は7~7.5です。10月の誕生石で、パワーストーンとしては、美容の石だそうです。

トルマリンです。長ネギのような結晶になっていて、人気のコーナーになっていました。

パライバ・トルマリンです。ネオンブルーやネオングリーンのものを指します。

ロッククリスタルです。二酸化ケイ素(SiO2)が結晶してできた鉱物で、この展示品はちょっとしたキャベツ位の大きさがありました。

エメラルドです。和名は翠玉、組成はベリルの一種(Be3Al2Si6O18)で、モース硬度は7.5~8です。5月の誕生石で、パワーストーンとしては、心身を美しく保ち、富や名声をもたらすそうです。

ダイヤモンドです。和名は金剛石で、組成は炭素、モース硬度は10です。4月の誕生石で、パワーストーンとしては、永遠の絆の意味があるそうです。

ブリリアントカットの工程見本です。

ラピスラズリです。和名は瑠璃で、ラズライト((Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2)を主成分とした類質同像の固溶体(2つ以上の元素が混ざり合ったもの、化学結合ではない)の半貴石(貴石ではないもの)です。9月と12月の誕生石で、パワーストーンとしては、幸運の守護石と言われています。

カメオの製作過程です。

アンモライトです。アンモナイトの化石のうち、表層近くの結晶が虹のような色彩を示すものを指します。宝石としての歴史が浅いため、誕生石やパワーストーンの記述はありませんでした。

アメシストの原石とカットされたものです。

ロッククリスタルの原石と加工品です。

チャロアイトです。ケイ酸塩化物の一種(K(Ca,Na)2Si4O10(OH,F)・nH2O)で、世界三大ヒーリングストーンの一種とされています。モース硬度は5~6、石言葉は「魅惑」で、パワーストーンとしては、純粋で優しい気持ちになれるそうです。

チャロアイトの加工品です。

ラリマーです。ソーダケイ灰石(Ca2NaSi3O8(OH))の中でも青色系の物を指します。世界三大ヒーリングストーンの1つとされ、パワーストーンとしては、幸運に導くとされています。

ロードクロサイトです。南米を中心に産することから「インカローズ」とも呼ばれ、組成は炭酸マンガン(II)(MnCO3)、モース硬度は4です。パワーストーンとしては、過去を癒し、未来の幸福をもたらすとされています。

ロードナイトです。和名はばら輝石ですが、準輝石に属します。ケイ酸塩鉱物の一種(CaMn2+3Mn2+(Si5O15))で、モース硬度は6です。パワーストーンとしては、寛大さ、包容力をもたらすとされています。

フローライトです。和名は蛍石で、ハロゲン化鉱物の一種です。主成分はフッ化カルシウム(CaF2)で、モース硬度は4です。パワーストーンとしては、集中力を引き出すとされています。

サファイアです。呈色コランダム(Al2O3)のうち、赤色(ルビー)以外の鉱物の総称だそうです。モース硬度は9、9月の誕生石で、パワーストーンとしては、聡明さ・優雅さを高める、堅固な愛をもたらすとされています。

サファイアのカラーバリエーションです。メインカラーとされる青色系統以外のものを「ファンシーカラーサファイア」と呼び、ピンクがかったオレンジ色をしたものを特に「パパラチア」と呼ぶそうです。

スフェーンです。チタン石またはくさび石と呼ばれ、ネソケイ酸塩鉱物(CaTiSiO5)の一種で、モース硬度は5~5.5です。

スファレライトです。閃亜鉛鉱とも呼ばれ、組成は亜鉛の硫化鉱物((Zn,Fe)S)で、モース硬度は3.5~4です。

ブルートパーズです。天然のものはライトブルーで産出量が少なく、青、藍色のものは無色のものに放射線照射されたものだそうです。

ジルコンです。風信子(ヒヤシンス)鉱とも呼ばれ、組成はジルコニウムのケイ酸塩鉱物(ZrSiO4)で、モース硬度は7.5です。

ジルコンは含まれる不純物によって色が変わる場合があります。

エメラルド(Be3Al2Si6O18)とルビー(Al2O3)です。発色因子が同じクロム(Cr)でも、鉱物種が変わると色も変わります。

以下、撮影できた宝飾品です。

以上、ここまでご覧いただきありがとうございました。また機会がありましたら、こういう展示会に行ってみたいです。

化学組成出典:ウィキペディア、パワーストーン出典:ストーンマーケット リーフレット

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